「さよなら」って言って?
「ごめん全部聞いた。2日前の話。」

2日前って・・・あと2ヶ月って話か・・・。

「・・・おう。」

「あと、2ヶ月だぞ。ほんとにこのままでいいのか?」

・・・いいわけないだろ。

そう言いたかったが。

今の俺の行動とは矛盾している。

「ダメって、分かってる・・・。」

そんなショボショボな回答に。

「次はお前の番だぞ。」

そういって腕を叩かれた。

「・・・・。」

俺は下を向いた。

「星野さんは、あと2ヶ月あるわけじゃないぞ。」

「え?」

「2ヶ月はあくまで医者の予想だぞ。・・・もしかしたら、明日死ぬかもしれないし、1年後死ぬかもしれないんだぞ。」

「・・・・わかってる。」

正直、そこまで頭が回ってなかった。

「ここからは俺の意見だけど、・・・・その。恋って結構、力があると思う。」

は!?

いきなり遊び半分のような、変な話が入ってきた。

「お前が星野さんのそばにいたら、寿命が延びるかもしれないぞ?ってことだよ。・・・一人で病気に戦うより、二人で戦ったほうが強いだろ?」

・・・そういうこと。やっと納得。

「・・・ありがと。」

「頑張れよ。」

楓はエナメルバッグを持って練習に行ってしまった。


< 49 / 54 >

この作品をシェア

pagetop