俺、兄貴になりました②



小さな子供が遠慮するほど、この家は真っ暗だった。



これから先、日が当たることはないと、兄弟全員が諦めてた。



けど、俺は願ったよ。



毎日子供みたいに星を見上げては願ったんだ。



どうかこの家に日が当たりますように。



真っ暗な場所から連れ出してくれる光が現れますように。



みんなの本当の笑顔が見られる日が来るように。




何度、叶わない願いをしては悲しんだだろう。


何度、涙を流しただろう。




誰か、こんな可哀想な俺たちに気づいてよ。


助けてよ。



もう、こんな暗闇にいたくないんだ。




< 74 / 116 >

この作品をシェア

pagetop