君の隣


そして・・・。




風呂場・・・。


こんな所あったんだ・・・。




私は薄い、肌襦袢を着て、風呂場に入る。




すると、裸の高杉がいる。




私は、男と肌を重ねたことがない、生娘だ。



もちろん、風呂にも一緒に入った事なんてない。


緊張する・・・。




なつ「し・・・。失礼します・・・。」



声が上擦る。



私は、高杉が腰掛けている後ろにしゃがんだ。




私が手拭いを濡らして、高杉の背中を撫でるように拭いた。



高杉「はぁ・・・。お前・・・。男の背中を流したことがないのか?」




なつ「あんたに関係ないっ!」



高杉「ふっ。男を教えてやろうか?」




コイツ、今、鼻で笑った?笑ったよね!?





私は、腹が立ち、ゴシゴシ、ガシガシと思いっきり、力を込めて、高杉の背中が真っ赤になるまで擦った。




高杉「痛っ!痛ぇよ!」



なつ「腹黒い意地の悪い奴にはこの位、擦らないと、汚れなんか落ちませんのでねっ!綺麗にして差し上げてるんですっ!」



高杉「それにしても、加減を知らねぇ奴だな。もっと、優しくしろよ!男に愛想を尽かされるぞ。」



なつ「あんたに愛想を尽かされても痛くも痒くもない!他の方なら、もっと優しく出来ます!」



高杉「そんな奴がいるのか?」



なつ「あんたには関係ないっ!」





バシャとお湯をぶっかけて立ち上がる。



あ・・・。そうだ。



なつ「ねぇ、高杉。今日、塾行く?」



高杉「あぁ。今から。」



なつ「そう・・・。だったら、今日と明日、休みますって、先生に伝えて?」




高杉「何だ?どっか行くのか?」



なつ「うん。それじゃ、宜しくね?」





そう言って、風呂場を出た。


< 10 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop