竜王華伝 (完)
でも、口に出せない。
俺が、こんなこといっていいの?
「林。泣くな。」
…え、?
泣いて、?
そっと、頬に手をやると…濡れていた。
なんで?
泣いてんの?
俺、ダサいな。本当に。
「林、お前はどうしたい、」
「お、れ…は。」
「お前が望むなら、俺は力を貸す。
お前が殺してって頼むなら、俺は殺すよ。」
それぐらい、大切な弟だから。
そう付け加えた。
カッコよすぎる、だろ。
「……一人は…嫌だ。」
「ああ。」
「アイツと…離れたい」
戻りたいっ。
掠れてでなかったけど、竜二は頭を撫でてくれた。
…安心して。
疲れた。