都合のわるい女
男たちは、俺とタカハシの関係性を知ると、必ずこういう反応をする。



「あわよくばヤれるかも、って思って尽くしてるんだろ?」


「じゃなきゃ、彼女でもないのに、アッシーなんか出来ねえだろ」



奴らの言いたいことは、分からんでもない。


いくら相手が美人だろうと可愛かろうと、ヤらせてくれる可能性が皆無ならば、優しくする気になどならない。


それが、男というものだ。


分かっているとも。

俺だって、そう思う。



………それなのに。


プルルル、と着信音が鳴って、俺は電話に出る。



『もしもし、ニッシー?』


「おう、なんだよタカハシ」


『今すぐ正門まで来て』




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