都合のわるい女
「またかよ!」



俺が呆れかえった顔で言うと、タカハシは「しょうがないでしょ?」と肩を竦めた。



「だって、図書館で本読んでたら、いつの間にやらこんな時間になってたんだもん」


「ちゃんと時計見る習慣つけて、時間考えて行動しろって、いつも言ってるだろ!」


「めんどくさーい」


「バイトに遅刻するとか最低だからな?」


「いいじゃん、最悪の場合はニッシーが送ってくれるんだから」


「俺の愛車はなぁ、お前のアッシー君をするためにあるんじゃないぞ」


「アッシー君もニッシー君も似たようなもんじゃん」



タカハシはからからと笑って、俺を置いて歩き出した。


もちろん、俺のバイクが停めてある駐輪場に向かって、である。


本当に自分勝手な女だ!!




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