都合のわるい女
そんな会話をしているうちに、俺のアパートに到着した。


タカハシのバイト先から俺のアパートまで、バイクで10分ほど。

タカハシはなぜか、自分のアパートよりも俺のアパートに近いところでバイトしているのだ。


なんでわざわざ遠い店で?と当初は不思議に思ったが、すぐに理由は分かった。



「ニッシー、ごはん作って。
早く、はやくー」



………これだ。

バイトが終わった後、俺の部屋でメシを食おうという魂胆だったわけだ。



「へいへい……作らせていただきますよ、女王様」



俺がおどけた口調で言うと、タカハシから回し蹴りが飛んできた。





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