恋する淑女は、会議室で夢を見る
*...*...*...*...*
何事もなく
真優の秘書生活は数日が過ぎて行った。
「おはようございます」
「おはよう」
・・・
朝の大事な仕事の1つ、
桐谷専務の珈琲を淹れること。
桐谷専務の出勤は、
他の役員たちより一足早い。
そのお陰で給湯室を独占できることはラッキーだった。
慎重に珈琲の量を計り
水平にして、フィルターにお湯をかけないように気をつけながら珈琲を蒸らし…
―― ふむ
しばし待つ…。
クルクルとのの字を書く様にして…。
はい 出来上がり。
「青木さんは」
!
「珈琲を淹れるのがお上手ですね」
給湯室には扉がないこともあり、
いつの間にかそこに瀬波がいることに
真優は気づかなかった。