笑顔の行方～バスケットが繋いだ恋～
佐々木くんと2人で食事して、手を繋いで歩いて、…まるでデートしているみたいで楽しかった。
ふと、そんなふうに思った。

「…じゃあな陽泉。
気をつけて帰れよ」
お互いに車のキーを開けながら佐々木くん言う。
「うん。今日は本当にありがとう。
佐々木くんも、気をつけて帰ってね」
私は答える。

「あぁ、サンキュ！
なぁ陽泉。今日の俺たち、まるでデートしてるみたいだな」
私が思ったこと、佐々木くんも同じことを感じたみたいだ。

私はクスリと笑いながら「うん、そうだね」と答えた。
私たちの車は、隣同士に停めてある。
佐々木くんは私のそばまで来ると、
「なぁ陽泉。ちょっとだけ目を閉じて！」
そう言う。

言われるまま、私は目を閉じた。
すると、顎を持ち上げられて、唇に柔らかい感触がした。
ビックリして目を開けると、ニッコリ微笑んだ佐々木くんが、
「やっぱりデートのラストは、お別れのキスでしょう」と言い、私の頭をポンポンとした。

それから、
「じゃあな！本当に気をつけて帰れよ」
そう言うと、すぐさま自分の車に乗り込み、行ってしまった。
私はそれをポカンと見送る。
そして、幸せな気持ちのまま家に帰った。



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