笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
陽泉たちが帰ってから30分、田島さんと私もやっと仕事が終わり、途中まで一緒に帰る。
田島さんは35歳で、8歳と5歳、2人の子供のお母さん。旦那さんのご両親と同居なので、夕食の支度はお義母さんがやってくれるらしい。
それでも、いろいろ話を聞くと、やっぱり同居は大変らしい。
まぁ今の私には、結婚なんてまだまだだけど。

そういうことで、田島さんは急いで帰った。
私は1人ハンバーガーショップで、簡単に夕食を済ませ、せっかくだからと駅前の七夕飾りを見ることにした。
ゆっくり通りを歩いていると、陽泉と佐々木くんの姿を見つけた。
手を繋いで歩く2人は、誰もが振り返る美男美女のカップルで、すごくお似合いだった。

陽泉に合わせて歩く佐々木くんは、彼女を優しく見つめていて、
佐々木くんを見つめる陽泉は、"恋する女の子"の瞳で…
…やはり、そんな2人に幸せになって欲しいと思った。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

それからしばらくして、陽泉と2人で夕食を食べに行くことになった。
そこで、陽泉と彼氏の関係、さらには佐々木くんとの関係を聞いた。
陽泉の彼氏が、他の女の子とキスしていたときは私も一緒に目撃して、ショックを受けた彼女の後を佐々木くんに追いかけてもらったんだ。
…あれから約1ヶ月。
3人の間は、微妙な関係になっていた。


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