笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
あまりの言い方に、悟さんと俺は言葉を失った。
"開いた口が塞がらない"とはこのことだ。
だけど実際、県大会の決勝戦まで、彼らベスメンの出番はなかった。その試合も、2Qの残り5分間に出ただけで試合を決めてしまった。

だけど、俺は彼らのバスケットは好きじゃない。
確かにテクニックは凄いし、レベルが高いのは認める。でも、スポーツマンシップと言うものに欠けている。彼らと、本気の勝負をしたい相手チームに失礼だ。
自分の教えているチームだが、1度でいい。敗北を経験してほしい。
どこかに、彼らに勝てるチームはないだろうか?すぐに思いついたのは、拓海のプレー。
拓海たちなら彼らに勝てる。いや、勝ってほしいと思った。




☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

そうして迎えた全国大会当日。
拓海たちが出場するのはリサーチ済み。そして、うちの中学と対戦するとしたら決勝戦だ。

開会式が始まる前。
悟さんは代表者会議に出ている。
俺は会場内を歩いていて、懐かしい後ろ姿を見つけた。
「陽泉!」
思わず声をかける。
こちらを振り向く彼女。
「やっぱり陽泉だ。久しぶりだな」
俺はそう言いながら、彼女に近づいた。
彼女は「うん、久しぶりだね」と言いながら、
俺の知ってる笑顔を見せてくれた。


< 220 / 250 >

この作品をシェア

pagetop