笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
俺はペットボトルのお茶を2本買うと、会場の外に出た。そして、その1本を陽泉に渡した。
「ありがとう」
そう言って、早速飲み始めた彼女。

俺はそんな彼女に自分の想いを伝える。
「陽泉。俺、信じていたよ。
拓海が必ず、この全国大会に陽泉を連れてくるって。この会場で、絶対に陽泉に会えるって」
「…佐々木くん?」
「言っただろう。お互いにバスケを続けていたら、また会えるって…」
「…うん」
「…俺の中で、陽泉への気持ちはまだ変わっていない」
「……………」
「…俺の方の事情で、ハッキリと言うことは出来ないけど。…この大会が終わるときには、ちゃんと伝えられるようにするから。陽泉の答えを考えておいて欲しい」
「……………」
「…俺の話はそれだけ」
「……………」
「……………」
「…分かった。
私もちゃんと考えて答えを出すよ。…祐介とのこととか、全部を含めて、ちゃんと考えるから」
「ありがとう。
じゃあ、そろそろ10分たつから戻るか」
「うん」
そうして俺たちは会場に入り、それぞれのチームに戻った。

すぐに開会式が始まる。
開会式のあとは、オープニングゲームだ。昨年、優勝している富士中が、男子のオープニングゲームを飾る。
会場には、オープニングゲームを見ようとたくさんのチームが残っている。陽泉たちの中学校も、富士中の試合を見学するために残っていた。

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