笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~

  花嫁のブーケ

そして、明日は田村さんと愛美先輩の結婚式。
私は、朝から明日着て行く予定の、モスグリーンのノースリーブのワンピースをクローゼットから出した。上にオフホワイトのボレロを羽織る。
それに、白いパンプスとバック。
アクセサリーは、クローバーがモチーフのチョーカーを付けよう。

私だって女の子だ。
"結婚"に憧れはあるし、オシャレにも興味はある。
普通の女の子のように、明日の結婚式を楽しみにしていた。

結婚式当日は、梅雨時とは思えないほどの快晴。
披露宴は11時半からだけど、私は10時からの挙式にも招待されている。
会場のスターホテルまでは車で約30分。
私は9時までに支度を整えると、郁海に送ってもらう。…と言うか、なぜか郁海も招待されている。

出掛けに拓海が、
「姉ちゃん、兄ちゃん。
田村コーチと愛美さんに"おめでとうございます"って伝えてね」
と言ってきた。
私は「うん、分かった」と答え、郁海の車に乗り込んだ。

今日は郁海もスーツを着ている。
大学の入学式に着たスーツだ。
上手くネクタイが結べないでいる郁海を見て、大人ぶっているけど、やっぱり弟だなぁと感じた。
もちろん、郁海本人にはそんなこと言わないけど。



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