さくら
「どうぞどうぞ」
朝倉のメガネの奥の瞳が優しく細められる。桜子は紅茶を入れるために立ち上がった。
「こないだおチビが弁当持ってきたときさ、あの美少女は誰やってみんな大騒ぎやったぞ」
「美少女?嘘ぉっ。初めて言われた」
朝倉に紅茶のカップを渡しながら桜子が笑う。
「サンキュー。いやマジで。弁当も志信が開けた途端あちこちから手が伸びてきてアイツ怒っててさ」
「いっぱい作って差し入れしたら良かったですね」
ケーキの箱を開けると、シュークリームが並んでいる。紙皿に1つ取り、朝倉に差し出す。桜子はそのまま取り出して齧り付いた。
「料理上手で美少女の妹を紹介しろってオファーがいっぱいやったぞ」
「しーちゃん、何にも言ってなかったですよ」