こんなお葬式【長篇】
おばあさんはたった一人である。

仕出料理も頼んではいない……。

この長い長い時間を、一人でどう過ごすのか。

何故か、もはや亡くなり居ないはずのおじいさんが、さっきまでは“存在”していたかのような錯覚までしてしまう。


そして何より、食事はどうするのか。

話しかける相手すらもはや釜の中である。

普段はしない心配が頭を埋めていった。


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