こんなお葬式【長篇】
朝礼を終えた僕は、社用車でおばあさんを迎えに会館へ走った。

(もしかしたら、疲れて眠っているかもわからんな……。)

毛布でも用意しておけば良かったと思いながら会館へ到着し、何気なくドアをノックした。

流れのままドアを開けると、おばあさんはおじいさんの枕元に座っている。

顔を覗き込んだ姿勢のまま、少し恥ずかしそうに振り返り、

─綺麗にしはるなぁ、と思って見てたんです……。

と話した。見ていたのは、綿の装飾等ではなく、おじいさんの顔であった事は明白である。

心が“きゅっ”と縮まる。

─そろそろ行きましょうか。

僕はおばあさんを促し、車の後部座席に案内し、自宅へ向け車を走らせた。
日はすっかり上がり、朝日が眩しい中のドライブである。

─助かります。実は荷物もあるから、帰りが大変やなぁと思ってたんです。

前の座席に少し手を触れる感じで、身を前に寄せて話しかけてくる。

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