ケータイうさぎと意地悪先輩。FINAL
すすり泣く声が聞こえる中、膝を落としている瀬名君がキッ! とお父さんを睨む。
「父さん……、これが……、これがっ! あなたの望んだ世界……なのか?」
「いいや、『君達が望んだ世界』だ」
「!」
瀬名君は驚く。
「君達がスマホを好まず使用しなければ、こんなことにはならなかった。違うか?」
「っ……」
瀬名君は言葉に詰まり、俯いた。
「君達がスマホを好み、流行らせた結果がこれだ」
なんて……。
なんて、重い言葉なんだろう……。
瀬名君のお父さんは私を見ると、また前を向く。
「君もこれを機に、ケータイうさぎに戻ることだ。それが君にとっての一番の幸福だと私は思う」
止血した私の左肩からぽたぽたと真っ赤な血が垂れた。
真っ赤な血は徐々に地面に広がっていき、視界がぐにゃりと歪んでいく――――。
「せん……ぱいっ……」
私は雨瀬先輩の手を握ったまま、気を失った。