ケータイうさぎと意地悪先輩。FINAL

 誰も……いない……。

 いつもなら、雨瀬先輩のお母さんか柚葉ちゃんがいるのに……。


 そう思いつつ、私は、雨瀬先輩に近づいていく。


 先輩、相変わらず眠ったままだ……。


 右手の力が弱まり、鞄が手から離れ、床にドサッと落ちた。

 私の両目がじわりと潤む。


 合格したら……、先輩、目を覚ますんじゃないかって……、心のどこかで期待してた。

 私……、バカだなぁ……。


 私は雨瀬先輩の前でしゃがみ込む。

 ぽたぽた、と涙が零れ落ちていく。


 もう……、先輩が目覚めることは……ないのかな……?

 ずっとずっと……、このままなの……?
< 629 / 700 >

この作品をシェア

pagetop