檻の中の国


不意に螢が私の手を取った。



赤い提灯が私達の顔を照らす。



「それより、あそこで祭りがやっているようだ。


行ってみないか?」


そう言う螢は何も意識してないんだろうけど…


手……繋いでるって……

初めてだから……緊張しちゃう……



先程の会話も忘れて、


私だけ赤く染まったまま、

私達は歩き出した。


< 30 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop