檻の中の国
私達以外誰もいない車内が、静寂に包まれる。

東京の電車と、

あまり内装は変わらない。


螢が真ん中の席に座ったので、私もその隣にすわる。


「…おい。」


「…へ……?」


「……確かに側にいろといったが、わざわざ俺の隣にいる必要はない。

別の所に行け。」


「…………うん。分かった。」



「…………おい、人の話を聞…」


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