檻の中の国

街から敵軍がいなくなった後も、俺は、母に言われた

"とうさんと、かあさんを恨んでね"


という言葉の意味を知ろうとは思わなかったし、




"戦争を止めて"という願いも叶えようとは

思わなかった。





あの日、全てを失った俺には、


"戦争を止める"だとか、


そんなことはどうでもいい。

俺には兄さんと母さんがいればいいんだ。



他人の事を気にするだけの余裕なんてない。



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