檻の中の国


それから、


街から召集命令が来て、


俺は戦争に行った。


たくさんの人々が俺の前で死んだ。


帰ってこれたのは俺だけ。



気がつけば、"提灯街の猟犬"と呼ばれるようになった。


生きるためならなんでもした。


赤ん坊も女も子どもも、容赦なく俺の刀で切り刻んだ。


戦争に勝った日は、決まって皆で祝った。
でも誰一人、目が笑っていなかった。



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