見つめないで勉強しなさい! ~一途なチャラ男くんに愛されました~



夏休み中の商店街には中高生の姿が多く、いつも以上に賑わっていた。

日光を吸収したコンクリートの地面に陽炎ができている。

真昼の時刻を過ぎ、気温がさらに上昇し始める頃だ。



「あら花珠ちゃん」



朦朧としながら歩いていたら、美容室のおばさんに話しかけられた。


「近藤さん、お久しぶりです。いつもお世話になってます」


疲れた表情を押しやって、私は笑顔を返した。
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