輝照天欠-輝き、照らす、天にありし、欠かせぬモノ-
ウツクシサ、カガヤクトキ
深い深い森の中、

鬱蒼と生い茂る木々の僅かな隙間から差し込むうすい月明かりの下に男の子と女の子がいました。

なにやら話しています。

「だから僕はその人に聞いたんだ『そんなにお金を集めてどうするんですか?』ってね」

男の子が言いました。

「それでそれで?」

女の子が言いました。

「するとその人はこう言ったんだ『この金で願いを叶えるのさ』ってね」

男の子が言いました。

「ハハハハハ」

女の子が笑いました。

「また僕は尋ねた『誰の願いをですか?』ってね」
男の子が言いました。

「それでそれで?」

女の子が言いました。

「その人はこう言ったんだ『もちろん俺のさ。俺の金なんだ。俺の為に使うに決まってるだろ』ってね」

男の子が少し欠伸をしながら言いました。

「ハハハハハ」
女の子が笑いました。

「またまた僕は尋ねた『そんなにお金は大事ですか?』ってね」

男の子が目を擦りながら言いました。

「それでそれで?」

女の子が欠伸をしながら言いました。
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