初恋パレット。~キミとわたしの恋の色~
見れば見るほど桃で、一番小さいフープに通されている天然石の存在感が、作品全体から感じる〝桃っぽさ〟という印象に繋がっているのか、とにもかくにも、その可愛さに頬が緩んでどうしようもなくなってくる。
もちろん、桃好きのわたしにわざわざ持ってきてくれた百井くんの優しさも、その原因のひとつだ。
「ニナ、筋金入りの桃マニアだから」
「えー、マニアってなんかいやだな、桃ニストとか言ってよ。格好いいし、響きもいいし」
「……マジだっせぇ」
「普通にひどいよ!?」
こんなふうに百井くんと掛け合いをするわたしの顔は、その内容に反して最高に緩んでいるに違いない。
ただ、ちょっと不明だったのが、わたしにペンダントトップを持ってきてくれた理由だった。
けれど、顔から下だけのモデルなんていう変わったことを頼んだ申し訳なさと、そのお礼のつもりなのかな、と考えたらすんなり納得できたし、おそらく百井くんもだいたい同じことを考えたんじゃないかと思う。
わたしが好きでやっていることなのだから、特に気を使ってもらわなくてもよかったのだけど、もらったらもらったで、やっぱりうれしいものなんだなと改めて実感する。