私の思い~きっかけとタイミング~
そう言って恵太はどこかへ連絡をした。

「知り合いの引っ越し会社を押えたからな。荷造りなんかもしてくれるらしいぞ。俺の時もそうだった。」

思い出すように恵太は言った。

「ねえ、恵太。」

私の言葉にぎくりとする恵太。

私はその姿にクスリと笑う。

「そんなに急がなくても私は逃げないよ。」

恵太はハッとしたように私を見た。

「俺は焦っているよ…。出来るだけ美紗と一緒にいる時間を持ちたいから。」

恵太は立ち上がって、食べ終わった食器を流しへ持っていった。

そしてそのまま洗い出した。

「恵太、まだ私の分も洗ってないから私がするよ。」

すると恵太は洗いながら、首を振った。

「これぐらいは俺がするよ。これから二人で生活するんだ。美紗が頑張り過ぎると困る。」

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