私の思い~きっかけとタイミング~
思ったより津田はしつこい。

「…あれから会ってないんだ、美紗に。」

俺は仕方なくそう答えた。

これで津田が俺を解放してくれる事を祈って。

「どうしてですか?丸く納まったんじゃないんですか?」

本当に驚いたようで、津田はかなり俺に迫ってくる。

「どうもあの事で美紗が俺の事を信じられなくなったみたいなんだ。」

思わず愚痴のようにしゃべってしまった。

ダメな男だな。

俺はハッとして、津田に言った。

「済まない。しゃべり過ぎた、もうそっとしておいてくれないかな。」

津田は何か言いかけたが、一瞬その言葉を飲み込んだようだ。

「すいませんでした。」

そう言って頭を下げて、自分の席に戻って行った。

俺って本当に最悪な男だな…。

< 345 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop