Secret Mission



水樹たちは視線を受けながら保健室に向かった。


「どうしたのよそれ!」


保健医は驚きながらも三人を手当していく。

 


それを水樹たちはただ見守っていた。

保健医には出て行けと言われたが水樹は聞きたいことがあるからと、その場に留まったのだ。


保健医は結構温厚らしく「しょうが無いわね。」とため息をつきながら許してくれた。

手当が終わり、空気を読んでか保健医は保健室から出ていく。

水樹は保健医が離れて行ったのを見送り、翔たちに目を向けた。


「何があった?」

「んや、不意打ち食らっちまってさ。」


頭を掻き苦笑しながら言うが笑い事ではない。


「…ごめんね?僕がボーッとしてたから…。」

「いや、気にするな。」


話を聞くと相手は数十人いて、メリケンサックや鉄バットを持っていたと言う。

燈蔭が後ろから頭をバットで殴られ、翔は元々腕に怪我をしていたせいで充分に戦える人間が和人しかいなかったらしい。


それを聞いて、辰巳は胸糞悪そうに舌打ちをした。


「クソが…やっぱりかよ。」

「辰巳知ってたのか?」

「何となく渡辺たちの動きが怪しかったってだけだよ。
だから学校来てなかったってだけ。」


宗平たちは翔たちとも多少仲が良かったようで、今にも渡辺たちを殴りに行こうとしている勢いだ。

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