Secret Mission



―――確か、あいつはファイルって言ってたよな…そんなものがあったらすぐに目が行くはずなのに…。


「あ…ファイル?…もしかして。」


リビングに向かおうとしていた足を止め、パソコンが置かれていた部屋に向かう。


そして、パソコンを調べる。

ただスリープモードになっていただけだった為、マウスを少し動かすとデスクトップ画面が表示された。


インターネット、ゴミ箱。


デスクトップには当たり前にあるものをなぞって下に向かう。

その時、一つのにフォルダー目が行く。

―――これか?

――カチカチッ。

静かな部屋にマウスのクリック音が響く。

フォルダーの中にはいくつかのメモが入っていた。


「――ビンゴッ。」


一番上にあるメモを開き、眺める。



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■依頼内容について■


簡単にはもう説明したが詳しくはここを見てくれ。



君には、ある人物について潜入して調べてきてほしい。

潜入場所は広陽高校、もう編入手続きはしておいたから、月曜日から通ってくれ。

ある人物の基本情報については「―――について」というものを見てほしい。


情報については、そこに書いてないものなら、何でもいい。

君ならできると信じている。…よろしく頼むぞ。


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大雑把だな、あのおじさん…。

そんなことを考えながら開いていたメモを閉じ、他のメモを開く。

 

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■この部屋について■


この部屋にはいくつかの部屋がある。


一つは寝室。ここで寝るといい。

もう一つは衣装部屋。ウィッグからカラコン、男物と女物の服まで。いろいろな種類があるはずだ、必要なときはこれを使うといい。

最後の一つは空き部屋だ。好きに使うといい。


家賃は私から払っておく。電気代や水道代などのことは気にしないでくれ。

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―――なるほどね…。なら、好きに使わせてもらおう。

今日は土曜日だから潜入するのは明後日。
それまでは勉強や広陽について、調べとくか。



そんなことを思いながらパソコンを閉じ、布団にもぐる。


とてもふかふかしているベットは寝心地が良かったのか、入った瞬間、瑞稀に睡魔が訪れた。



「ふわぁ……おやすみ。」




瑞稀は、1分と経たぬうちにスヤスヤと寝息をたてて眠ってしまった。



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