光の少女Ⅳ【神魔界編】
第2部 魔界のレジスタンス

第1章 反勢力の街

1

黄牙の案内で魔界へとやって来た花音は、その瞬間力を押さえ付けられるような息苦しさを感じていた。

この息苦しさを感じているのは自分だけなのかと思い、周りを見回す。

すると、光輝や神蘭達はあまり体調がよくないように見えたが、他の仲間達は平然としていて、いつもと変わらないようだった。


(此処は魔界だから、相対する力を持つ私達だけ影響を受けてるのかな?)


そんなことを思っていると、何だか落ち着きなく辺りを見回している夜天が視界に入った。

そして、今度はぼんやりとしている夜天が気になり、花音は彼に近付いた。


「夜天くん、どうかしたの?」

「!?・・・いや、何でもない」


花音が近付いたことにも気付かなかったのか、驚いたように肩を跳ねさせた後、何でもないように答える。


「何でもないって、随分ぼんやりとしていたみたいだけど・・・」


夜天の言葉を信じるには彼の様子はおかしくて、そう返すと彼は諦めたように溜め息をついた。


「別に、・・・・・・ただ、ほんの少し懐かしかったんだ」


そう言うと、夜天は花音から離れていった。
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