光の少女Ⅳ【神魔界編】
3


「あ、姉上?」


勢いよく飛び込んだ花音に、中にいた光輝が驚く。

彼は今まで寝ていたのか、ベッドの上で身を起こしていた。

それを見て彼が無事で安心する一方で、違和感を覚える。


「・・・光輝、今まで寝てたの?」

「あ、ああ」

(どういうこと?だって、皆、聖羅さんの部屋の爆発で気が付いたはず。なのに、どうして光輝だけ・・・)


そもそも聖羅の所に来る時、数人は光輝の部屋の前を通ったはずなのだ。

その気配に少しも気付かなかったとは思えなかった。


「何かあったのか?」


様子がおかしいことに気付いたのか、光輝が聞いてきたが、過ぎたことだと首を振る。


「ううん、何でもないよ。それより、夜天くんは?」

「夜天?・・・こんな時間なんだから、部屋で休んでるだろ?」

「来てないんだね」

「ああ」


再度確認し、息をはいた花音を光輝が不思議そうに見てくる。


(・・・よかった)

「あら?安心するのは早いわよ」


光輝と夜天が接触していないことに安心した時、そう声が聞こえた。
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