隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


「顔真っ赤にしてどうしたの、茉奈ちゃんっ?」



「えっ真っ赤…!?」



ウソだ……



ペタペタと自分の頬を触ると、ちょっぴり熱を帯びていた。



まさかまさか、そんなはず。



「なになに、何考えてたの茉奈ちゃん!」



グッと顔を近づけてくるすみれ。



「何も考えてないよっ!?宙のことなんてひとつも…!」



勢いよく言い放ってから、はっとする。



自分で地雷を掘ってしまった。



「碓氷くんのこと考えてたんだあ?」



「ぶぅっ!」



1度気を落ち着かせようと、目の前の小さな丸テーブルに置いていたお茶を口に含んで、すみれの言葉に吹き出しそうになる。

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