隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


「お疲れ様!」



緊張していた場が、ほっと和む。



なのに、鳴り止まない胸のドキドキ。



隣にいたはずの宙は、もう隣にいなかった。



「あれ?碓氷王子は?」



リーダーにも聞かれたけれど、何もわからずただ横に首を振った。



「茉奈ちゃん、顔赤いけど大丈夫?」



「だ、大丈夫だよ。ステージの上って照明で暑いから…それで」



「あー暑いよね。わかるわかる。あと!最後のシーン、とっても良かったよ!角度とかも完璧だったし、あの間がドキドキしてとっても良かった!大成功だよ!」



〝大成功〟



そんな言葉をリーダーにもらえたのはとっても嬉しい。



でも、完璧だったのは、本物だったからだよ。

< 274 / 314 >

この作品をシェア

pagetop