わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜



無理矢理狛くんの腕を引くと、その手を払われる。


ちゃんとついていくから離せ、という意味らしい。


………これでみんなが生徒玄関に行けば、みんなが集まったことになる。


望絵は、残念だけど。


狛くんの話を聞いちゃったら、もう呆然となんかしてられない。



「あ、芽衣!………と、狛?」


「悠人くん!他の人は?」


「あぁ、まだ誰も来てねぇよ」



生徒玄関に行き、まずはそこにいた悠人くんと合流する。


狛くんとずいぶん話をしていたような気がするけど。


あまり時間はたっていなかったらしい。



「……誰か来たけど」



狛くんの声に振り向くと、歩が立っていた。



「あれ?君は…狛、だよね?
見付かったんだ?」


「うん。途中ですれ違って」



話をしたことなどは伏せておく。


まためんどくさいことになっても困るし、妹の死の話なんて、出来るだけしたくないだろうから。



「あとは朱里さんと桜ちゃんだね」



歩は、私をみてニコッと笑った。


歩なりに、望絵という親友を失った私を気づかっているのかもしれない。


私はそれに、微笑んで返した。


もう正気も失わないし、最後まで諦めない。


その強い決意を胸に秘めて、全員がここに集まるその時を待った。






< 133 / 168 >

この作品をシェア

pagetop