わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜




その瞬間。



『―――委員長』



また、あの声が聞こえてきた。


「……っ、だ、誰?」


『……………』


「ねぇ、さっきも『あの子』の存在を教えてくれたよね。
私にしか聞こえないの?」


「………?芽衣、誰と話してんだよ」



………やっぱり私にしか聞こえないのか。


わざわざ名指ししてくるくらいだから、そうじゃないかとは思っていたんだけど。



『私は…………』


そこまで言って、声が途切れる。


それから、ぐにゃりと目の前が歪んだ。



「えっ!!?」


「うおっ!?」



私と悠人くんが、目の前の人物に同時に声をあげる。


私たちの目の前に突如現れた人物…。






「…………明美…さん」


『………そう。私は明美よ…』



佐久間さんをいじめてたグループの、リーダー的な存在だった…明美さんだった。


『……ごめんなさい。
私がいじめなんてしたせいで、巻き込んでしまって。

本当に…反省してるわ。
死んだあとに反省したって、遅いかもしれないけど』


ふふ、と泣きそうな顔で笑った明美さんに、何もいえなくなる。



「……他のやつはどうした。
お前の他に、いじめてたやつ…四人いただろ」


『……………。
全員…佐久間に操られてるの。
私以外は佐久間に殺されたから…』


「そんな…」



佐久間さんに…いや、このゲームによって殺されたら操られてしまうってこと?


そして自ら命を絶てば、操られない。



『佐久間は…暴走している。
本来の目的は私たち五人を殺すつもりだったみたいなのに、今はこうしてあなた達まで巻き込んだ。

いじめてた間…ずっと、朱里、桜、歩、悠人、この四人の名前を呼んで、助けを求めていたから、この四人は佐久間にとって大切な人なはずなのに。
それでも躊躇なく、その内の二人を佐久間は殺してるの』



いじめていたからこそわかる、佐久間さんの異変…?


だとしたらどうして?


佐久間さんはどうして暴走して来てしまったの?




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