君といた季節の中で
僕達は、それから色んな話をした。
彼女は、僕の事を覚えていてくれた。
僕達は、幸せだった。
そう感じた。

しかし僕が仕事でうまくいかなくなったり仕事で事件が起きたり
僕の精神がおかしくなっていった様子だった。

サラに当たるようになったようだ。
サラは、子供を身籠っており
仕事を辞めていた。
子供が産まれて間もなく

僕が仕事を辞めてしまった。

生活するために彼女は
子供を背負って市場の仕事をしていた。

僕は、お酒を飲んだりタバコを吸ったり
して生活が荒んで行った。

誰とも会わなくなった。
人格が変わりすぐにケンカをしてしまうようになってしまったのだ。

周りが敵に見えた。自分を陥れようとしているかのようだった。
僕はサラの話を聞きながら
薄っすらと記憶を取り戻しては
当時の自分の心情に思いを寄せていた。

サラは、言った。
「今の貴方は、初めて浜辺で出会った時のように優しい人になってるからとても嬉しいんだよ。でも自分がした事を思い出すと
いてもたってもいられなくなるの。
貴方を子供をこの手で殺してしまったのだから」

彼女は、初めて涙を流した。

僕は、殺されて当然のように思っていた。きっと当時の自分も本当は
助けを求めていたのだろうし
殺されたかったいや死にたかったんだろうと思うし
もしかすると誰かを殺したいほどの恨みを抱えていたのかもしれないし
それを忘れるために自暴自棄になって
妻に暴力を振るうようになったのかもしれないと思った。
僕はいつまて続くのか分からない
サラとの生活をこれから幸せなものに
したいと思うようになった。
彼女の抱える悲しみや後悔や色んな気持ちを少しでも軽く出来るのではないかと思った。それは甘かったのだろうか。

僕を憎み殺してしまった。
その僕がこうして生きてる事
生きているのかすらよく分からないが
一緒に生活している事が
彼女にとって良い事なのか
僕には、計り知れなかった。

秋風が冷たく吹いていた。
紅葉の木々から落ち葉が風にあおられ
舞っていた。草原の草も枯れていくのだった。

海が夕日に照らされて寂しくて揺れていた。
彼女の憂鬱と僕の微かな希望が
入り混じっているかのような
海の色は、冬の気配を感じる寂しげな色に染まっていた。
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