好きになった相手には大体相手がいるんです
「私だけを見てくれる？」

思っていたことが言葉になって出てきていた。

「詩真しか見えてないから・・・詩真も俺だけを見てくれる？」


私は一体どんな顔をしているのだろう。

2年間この時をずっと望んでいた。

別れたと聞いても悠木君を振り向かせるだけの魅力などないと

消極的な気持ちになっていた時もあった。

それでもやっぱり好きな気持ちを捨てきれなくて・・・

一生懸命自分をアピールしたのに

いざ目の前で私だけを見てくれる悠木君を見ていると

ドキドキしてどうしたらいいのかわからない。


わからないけど・・・

これだけはわかる。

「私はこれから先もずっと悠木君しか見ないから・・・」

泣きそうになり声が上ずってしまうのを必死に押さえながら

悠木君に自分の気持ちを伝えた。
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表紙・目次

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