好きになった相手には大体相手がいるんです
しばらくすると電話が鳴った。希からだった・・・

「もしもし・・・」

「詩真?雅臣が詩真の家にいるの?」

信じられないといった声だった。

「・・・ごめんね~~。悠木君かなり酔ってて・・・タクシーに
乗せたのは良かったんだけど家も知らなかったしー」

そこまで言ってハッとした。考えてみればタクシーに乗せた段階で

希に電話をかければよかった。

だけどそれをしなかったのはやっぱり自分の欲に勝てなかったから・・・

いくら別れ話が出ていてもまだ悠木君は希の彼だ

普通なら、なんで私に連絡しないのよ。私の彼氏よ!とか

言うよね。

やばい・・・

だが希の口から出た言葉は意外だった。

「迷惑かけちゃったみたいでごめんね~~。で、迷惑ついでなんだけど・・・
悪いけど雅臣の事お願いできるかな~」

「はい?」

「雅臣には悪いけど私はもう次の恋に向ってるの。だから詩真も頑張って」

「が・・頑張って・・・好きな人を振り向かせるのと悠木君の世話は関係ー」

ないと言おうとしたが・・・

「関係大ありなんじゃない?」

・・・はい?
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