好きになった相手には大体相手がいるんです
もうばれてる。

私って駆け引きとか絶対無縁なんだ~

「手ぶらってことは・・・そうなのかなって」

恐る恐る顔を上げるとそこにはキラキラの笑顔の悠木君が笑ってて


「ご・・ごめんなさい。うっかりして忘れちゃって・・・」

とにかく怒ってない事に感謝

じゃ~~こ・・これからどうしよう・・・

食事だよね・・・でもこれからどこかで食べてから家まで取りに来てもらうのは

さすがに申し訳ないと言うか・・・だったら・・・やっぱり・・・

「悠木君!」

「ん?」

前を歩く悠木君を呼ぶと

「あの・・・もしよかったら家でご飯食べない?私の作る料理でよければ
・・・なんだけど」

私って何気に大胆な事言ってるよね。

でももう言っちゃったから撤回できない。

怖くて目を瞑って返事を待った。

こんなことでこんなにドキドキしてたら、いざ告白なんてことになったら

私どうなっちゃうの?

「・・・いいの?」

「いや・・それは私の台詞で・・・私物は忘れるは、私なんかの手料理なんか
悠木君の口に合うかどうかだけど・・・いいの・・か・・な?」

悠木君は笑顔で頷いた。

その顔を見ただけで、もうどうなってもいいと思うのは大げさかかな

でもここは何としても悠木君にいいところを見せなきゃだし

少しでも、恋愛に目を向けてもらわねばと

私は鼻息を荒くし

「それじゃ~~スーパーで買い物しましょう!」

と悠木君の前を歩きだした。

まさかそんな私を悠木君が楽しそうに見ていたとは知らずに・・・
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