好きになった相手には大体相手がいるんです
「違う!」

否定したのは希だった。

「戸田君違うの。私が・・・私が戸田君を好きになってしまったから・・・
 だから・・・私の方から悠木君に別れてほしいって言ったの。」

ええええ!言っちゃっていいの?

身を乗り出す様に希を見ると、どうやら腹をくくったのか

今までの想いを戸田君にぶつけだした。

やっぱりその辺は話してなかった・・・みたい。


まさかこんな展開になるとは思ってもいなかった。

恐らく希は戸田君にちゃんと告白をしていなかったのだろう。

あくまで戸田君の相談相手として食事に行ったりしていのだろうと思う。

戸田君の顔を見ればすぐにわかった。

びっくりして横にいる希を凝視していたからだ。


戸田君を好きな希、その希に別れを告げられ元カレの悠木君、その悠木君を

ずっと好きでやっとその思いが叶った?・・・だろう私、そして私の事を

好きな戸田君。

元彼の前で片想い相手に告白する希を悠木君はどう見ているんだろう・・・

だって悠木君は嫌いで希と別れたんじゃない。

さっき希がいったまんま戸田君が好きになったから別れた


もしかしたら悠木君の中にはまだ希への想いが残っているのでは?

もしそうなら戸田君と希のやり取りをまともになんか見れないはず。

どうしよう・・・

ここから離れた方がいいよね。

だけど、どうしたらいい?

私が立ちあがって悠木君をここから出した方がいいの?

悠木君の表情が読めない・・・

その時だった。
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