好きになった相手には大体相手がいるんです
苦しそうに言葉を発する悠木君をみてわかった。

やっぱりまだ希に未練があるんだって事を・・・・

珍しく私の思っている事が当たってて笑ってしまいそうになった。

もしかしたら本当の意味で悠木君は私を必要としているのだと思った。

慰めてほしいと言う理由で・・・・

だけどそこまでわかっているのに私は何を血迷ったのか頷いていた。

もしかしたら単に利用されてるだけなのかもしれないというのに・・・

私が黙って頷くと悠木君は私の腕を掴んでそのまま歩き出した。

駅の前を通り過ぎた時、その手を振りほどこうかと一瞬迷ったが

その思いを振り切り私は悠木君と共に歩いた。

そしてついた場所は・・・・私が予想していた場所だった。

悠木君とまだキスもしていないのに

いきなりホテルですか・・・・

もう少し一緒にいたいと言われた時点で予想していたが

実際にホテルの一室に入ると

妙な緊張感が走る。

しかも悠木君はやっぱり無言だ。
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