オートマトン -Online- 推敲中
　ユイは肺一杯に息を吸った。

「―――どなたか一緒にミッションのドラゴン退治に行きませんか！」

　ドキドキしながらユイが声を上げた。

　市場は変わらず冒険者たちの喧騒であふれかえっている。

「もう１回」

　エプロンの男はユイの横に腰を下ろしながら言った。

「どなたか、ドラゴン退治に一緒に行きませんかー！！！」

「まだまだ」

「どなたか―」

　ユイがやけになって叫び続けていると、やっと１人のプレイヤーがユイのそばに近寄ってきた。

「こんにちは、私もミッションまだやってないので入れてくださいな♪」

　よく見れば、フレのキャスケットと似た顔の優しげな雰囲気の女性でユイは急に親近感がわいた。

「ユイですっ、よろしくお願いします」

「アカネです♪えっと、わたし、回復魔道士でまだ１５レベルしかないのですが、大丈夫ですか？？」

　アカネは少し戸惑いながら声を発した。

「大丈夫ですよっ」

　ユイはアカネを見て、少し前の自分を思い出す。

　１５レベルということはまだ初心者エリアから大陸に来て日が浅いはず。

「アカネさん、ミッションはミッションだけど楽しくできればいいなと思ってるので、そんなに構えないでリラックスしてください☆」

　ユイは優しくしてくれたキャスケットのことを考えながら言った。

（キャスケットさんが私にしてくれたことを、私がまた後輩にしてあげれば、キャスケットさんに対して、間接的にだけど恩返しになるかもしれない）

「少し仲間集めるのでお待ちくださいねっ」

　明るくそう言い放ったユイに、アカネは柔らかく微笑んだ。

「はい、リーダー♪」

（リーダー？！！！）

　照れくさい響きにユイが浸っているとエプロン男が口を開く。
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