オートマトン -Online- 推敲中
「こんにちは」

 そうユイが話しかけると兵士のキャラクターが一気にしゃべりはじめた。

『やれやれ、どうしたものか……。おっと、見慣れない顔だな。ふーん、冒険者か。私はシャテラリア国の第一部隊サルマゴナという。じつは休暇をもらって恋人に会いに来たのだが、その間にトルーワ火山にドラゴンが巣を作り、道をふさいでいてシャテラリア国に帰れなくなってしまったのだ。どこかに腕の立つ者はいないだろうか?』


1私に任せてよ!
2そんな人はいない。


 ユイが1を選択すると兵士は訝しげにユイを見下ろした。

『君が…?いや、君のような新米の冒険者1人ではとてもじゃないがドラゴンを倒すことなんてできやしない。命は大切にしなければ。聞かなかったことにしてくれ。』


「な……なによ!人がせっかく助けようとしてるのに」

 ユイがキャラクターに向かってプンプン怒っていると、突然横から笑い声が沸いた。

「お嬢さん」

 見ればエプロンを装備した軽装の一般プレイヤーが穏やかに笑いながらユイに近づいてきた。

「まあまあ、そう怒らないで。ミッション始まったばっかりなんだろ?新米の冒険者の扱いしかしてくれないのが普通だから」

「そうなんですか。この人ミッションをくれる人ですよね?」

「うん」

「おかしいなぁ、命は大切にって言われてミッション受けれなかったみたいなんです」

「ああ、それは1人じゃだめってことだよ。フレを誘うか、ここで仲間を集うかしてから戦えってこと。」

「仲間を集う?つまりそれって、さっきのステーキ屋みたいに、私も声を張らなきゃいけないってことですか?!」

「そのステーキ屋って俺のことですが何か(笑)」

「えっ、うそ?(笑)」

「ステーキ値下げ中、300Gold。桟橋で売ってます―――って感じに。君もやってみなよ」

「じ、じゃ―――」
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