アイスクリーム男子の作り方【アイスクリームの美味しい食し方番外編】
チカは、隣の中学の生徒だった。
会うことが出来なくても、
時々、遠くから彼女を見守った。

ぬいぐるみを抱いて
泣いていた女の子は、
どんどん女性へと変化していった。

背はすらっと伸び、
ぺったんこだった胸は、
遠目から見ても平均値越えていることが
容易にわかった。
顔も可愛くて、
遠くから見つめる度に、
次、近くで見たら、
自分が何をしでかすか、
わからないことだけは、
確信を持っていた。

周りの男たちも、
チカをほっとく訳がなく、
隣の中学の美少女、小暮チカは、
うちの中学でも有名になり、
俺は気が気ではなかった。

もう、俺のことなんて、
きっと忘れてしまうかもしれない。
いや、もう忘れているかもしれない。

そう思うと、
胸が痛くてたまらなかった。


ふと、あの校医が言った通りだと
フェンスを掴みながら思った。

俺みたいなやつは、
女にハマるとヤバイって話。

あんなに痛ましく思っていた
姉の血も俺にしっかり流れている。

姉のように
盗聴や不法侵入はしないが、
これでは、まるでストーカーではないか!


俺は、毎度そう思いながらも、
チカ観察を辞められずにいた。
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