ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
はじめての気持ち
ガキの頃からやりたいことは何でもやってきた。

それを咎める人間もいなかった。

ぐっさんがパクられ、ゴト師というシノギは無くなり、あれからもう1年以上が経つ。

ぼくは貯まっていた金で毎日パチンコをしたりの生活だった。


今年もあと3日。
世の中は皆忙しそうにしている。

しているがぼくは普段通りだった。
ミンクが今日で仕事納めらしい。
ぼくは久しぶりに健に電話した。

『健、なにやってんだ?』

『大掃除っす!』

『あー?こんな夜中に?』

『んー…なんか夜の方がやる気になるんすよねー』

『ミンクにでも飲みに行くか?』

『まじっすか!行きます行きます!』

クローゼットからお気に入りのスーツをだした。
なんか今晩だけは決めこんで出掛けよう。そんな気分だった。

健より先にミンクに着いた。
もう12時だ。
先に店に入ってっか。
『いらっしゃいませ~!』

相変わらず元気な声がコダマする。

『ぶん太ーどうしたのー、キマってんじゃん!』

弥生だ。

『あー今年最後だし、タマにはいいだろ』

『うん かっこいいよ!』

おしぼりを渡しながら弥生が言う。

しばらくして健が入って来た。
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