意地悪なきみの隣。



陽菜ちゃんは私たちの隣に立っている女の子達をちょんちょんと指差す。


私はその子達の話に耳を傾ける。



「やっぱり大和くんが1番かっこいいよね〜。だって、1年生なのにもうレギュラー入りでしょ?」



「うんうん。爽やかだし、上手だし。あんな人が彼氏だったらな〜」



わ…わあ…。
すごい。


中島くん、たくさん褒められてる!


ふふふ。でも中島くんってね、すごく意地悪なんだよ。
バカとかチビとかたくさん言ってくるんだよ。
悪い笑顔でね?



今は……あんなにかっこいいけど。



「やっぱり……変な感じするよ。中島くんと話してない日なんて、ほとんどなかったもん」



ふと思えば、中島くんってずっと私の近くにいるよね。


そりゃあ出会ったのは4月だけど、何を思い出しても中島くんがいる気がするなあ。


なんだか気まずくって、私も話しかけられないのもあるけど、中島くんが話しかけてこないなんて変だよ。



「じゃあ思い切って郁から話しかけなよ。中島、それを待ってるんじゃない?」



……待ってる?


そうなのかな。


唇に手を当てると、あの日を思いだす。
ぼっと頬が赤くなるのがわかる。


どうしてキスなんてしたんだろう。


そんなの、自分じゃわからないよ。
だから教えてよ、中島くん。


あの日の言葉とキスの意味を私に教えてほしいよ…。



私は中島くんがいない高校生活じゃ、どうも物足りないらしいです。




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