さようなら僕の死神
だからこそ、二人で帰る帰り道、二人道。


僕はそれから彼女にずっと付きまとった。


「何も言わずにそばにいてくれる、そんな関係最高だと思わない?」


「それはただのストーカーです。」


冷静なる突っ込み、無表情の突っ込み。

殺気みたいに・・・、いやさっきみたいに笑ってくれたらかわいいのに。


「私にはそんなこの世にいらない人間と判断された最悪人間の魂を回収するといった仕事もあるわけですが。」


死神みたいだな、本当に死神なのかどうか確証がないからこそ言える言葉だけど。


本当だったらただの恐怖なセリフだ。


「ならなんでさっさと僕の魂を狩らないの?」


死神が魂を狩る。とってもかっこいいと思う。でもそんなセリフいうべき日が来るだなんて思ってなかったけど。


「あなたは実害を及ぼしていませんからね、この世にいらないと判断されただけで殺されるのはかわいそうですから。だから私たち死神は90日期限をあげるのです。」


「なんで90日なの半端じゃない?」


90日ってなんか区切りもよくないし、よくわからない中途半端な期間だ。1年の4分の一。


「90日というのは、あなたが最悪の人生から外れる最短の数字です。最後のチャンスというわけですね。」


「そっか、じゃあ僕は死んでもいいからあと90日間君と愛をはぐくむことにするよ。」


死神ちゃんがずっこけた。顔から雪にダイブした。冷たいだろうなー、そう思ったから僕は彼女のお腹に手をまわし、雪の中から引きあげた。

髪にたくさんの雪がついていた。個体のその雪が彼女の髪につくことによって僕はその雪の一粒一粒が雪の結晶に見えた。


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