恋のはじまり
彼の想い
バタンとドアが閉まる音が静まり返った部屋に響き渡った。何故かそれはいやに静かにゆっくりと私の耳に入って来た。

課長の最後に見せた切ない顔が、目に焼き付いて体は固まってしまってドアの方を見つめたまま動けないでいる。

『…笹本、すまない』

そう言って課長は出て行った…。

(課長は、何も謝るような事はしてない…。)
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