恋のはじまり
課長が出て行き、ドアが閉まって抱き締める腕の力が少し緩み、それを見計らって思いっきりぐっと力を込めて西山君の胸を押して、やっと西山君から離れる事が出来た。
離れた瞬間、カッとなって思わず西山君の頬を平手で打った。乾いた音がパシッと室内に響いた。

「どうしてあんな事を言ったの?!課長は何も悪くないし、私も迷惑なんてしてない!あれじゃ課長に勘違いされてしまったじゃない!どうしてっ?!」

あまりの暴挙に頭に血が上ってきて西山君に詰め寄って問い詰めた。
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