ペンギンの面接
「え~、では、ご自分の長所はなんですか?」


……、もういい…ペンギンだと言ったのは気のせいにしよう…

きっとすごく似てる人だ…


「はい、自分はやはりペンギンなので、寒さに強いのと、泳ぎが得意なのと、ペンギンのくせに人語を話せることです。」


…………、


……はい?もうなんか、どっからボケで、どっからツッコめばいい?


え、じゃあ順に…


やはりとか言いやがったよ!何?俺の心読んだ?どんだけ読者に優しいんだお前は!


寒さに強いって、寒いことが脅威みたいな風に言うなよ!
じゃあ何か?

『南極では多くのペンギンが産卵の時期を迎えました~。』

っていう番組に映ってるあのペンギンたちは地獄絵図か!?

お前ら四六時中自然との激闘じゃねぇか!



そもそも泳ぎが得意とかクーラー会社には関係ねぇし!見せ場を披露させてやる機会与えらんねぇし!ついで言うとペンギンにとっての『泳げる』は人間にとっての『歩ける』と同レベルだから!



ついにペンギンのくせに、くせに、とか言いだしやがった!ここまでペンギンであることを主張しながらなぜ平然としてられる?柊さんと他!


「さっきから何興奮してるんですか?涼三谷先輩」


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